答志島架橋に関する一般質問

三重県議会

平成26年定例会 12月2日 中村欣一郎県議会議員

18番(中村欣一郎) よろしくお願いいたします。
それでは、2問目の離島架橋の実現には何が必要ですかということについてお聞きをしたいと思います。
 先週の11月28日の一般質問では、服部議員の伊勢湾架橋の質問の中で今日の私の質問を予告していただきまして、本当にありがたく思っております。同じ架橋といっても、正確には伊勢湾架橋という大きなプロジェクトのお話でしたけれども、とにかく県北部の方からこういう声を上げていただいたということで、何よりも決断を逡巡しておられる知事の判断の後押しになったのではないかなと、心より感謝を申し上げたいと思います。
 改めて離島のことを少し触れたいんですけれども、平成22年の国勢調査では418が、日本の、有人、人が住んでいる離島とされております。自治体との関係を見ると、自治体全てが離島になる全部離島という種類と、本土の一部が離島となる一部離島というのがあります。三重県には六つの有人離島があり、そのうち、鳥羽には四つ、志摩には二つ、三重県の六つの島はいずれも、本土の一部が離島になる一部離島に区別されます。
 そのうち、鳥羽市の神島は人口が402人、数字は平成22年の国勢調査の数字でいきます。答志島は2379人、菅島は689人、坂手島は423人、志摩市の渡鹿野島は247人、間崎島は118人で、三重県の6島合計で4258人の県民が離島に住んでおります。
 今回、質問させていただく場所を言わせてもらうと、(パネルを示す)これ、鳥羽湾の上空です。これがミキモト真珠島、これが鳥羽の港、近鉄、JRの鳥羽駅がここです。今回言っている答志島架橋というのは、この一番端、これが小浜半島で、これがイルカ島、こちらが答志島になります。ですから、ここのイルカ島と、この答志島の間、ここにかけていただきたい橋ということです。直線で700メートルぐらい、橋の長さは800メートルぐらいになるかと思います。ほかの島も当然橋はかけていただきたいわけなんですけれども、今回はその中でも、最大の面積、最大の人口になっております、そして、また、架橋建設の促進協議会を組織して、最も具体的に早期実現を望んでいる答志島架橋について質問をさせていただきます。
 3年前の、私、当選後の最初の一般質問でも取り上げましたけれども、改めてもう一度、この島の中の様子も紹介したいと思います。知事には島にも来ていただいて、島民の声に耳を傾けていただく機会も何度かございました。先日、新しい鈴木知事に対しては初めて、促進協議会のほうから陳情活動もさせていただきました。そのときには、地元の小学生の作文等も一緒に持たせていただきました。そして、3年前に一般質問をしてから、私も離島架橋、事あるごとに全国行ってきまして、宮城県の気仙沼大橋であるとか、岡山県の日生大橋、長崎県の伊王島、佐賀県の鷹島と見てまいりました。前回の質問したときには他県の事例をよく研究して分析をしてからというようなお答えだったわけですけれども、その後の進展状況はどうなっているか、お聞かせください。
〔森下幹也地域連携部南部地域活性化局長登壇〕

◎地域連携部南部地域活性化局長(森下幹也) その後の調査状況ということでございましたけれども、今現在、鳥羽市、志摩市とともに担当課長会議を設けておりまして、いろいろと調査をしてまいりましたんですが、今、ちょっと詳しい資料、手元にございませんでして、申しわけないんですけれども、答志架橋につきましては、船舶に頼らない陸上交通ということで、島の産業や生活圏の広域化を促すとともに、住民の生命と生活を守るライフラインとしての役割を果たすものというふうに認識しておりまして、非常に重要なものだというふうに考えております。その離島架橋をはじめとする離島地域の振興策につきましては、平成25年4月に策定をいたしました三重県離島振興計画におきまして、鳥羽市、志摩市、両市の振興計画も踏まえまして、国の動向ということで情報収集に努めますとともに、鳥羽市、志摩市との合意形成を図りながら、その必要性と方策について検討していきますというふうに記載しております。ただ、その離島架橋には多大な経費を要することになりますので、島の交通を守るために、9月定例月会議におきまして、鳥羽市定期船の建造費用等を補助する予算をお認めいただいたところでございます。
 先ほどの御質問の調査のその後でございますけれども、今、ちょっと、本当に手元にないものですから申しわけございませんが、また後ほどお答えをさせていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。
〔18番 中村欣一郎議員登壇〕

◆18番(中村欣一郎) どこまで通告しておくか、ちょっと問題もあるかと思いますけれども、このタイトルにありますように、どうすれば実現するのかということで聞きますので、島のほう、鳥羽市としても、地元としても精いっぱいやっていると。客観的に見て、全国を見比べても、ここにかからないはずがないのに何でとまっているんですかということをお聞きしたいわけなんです。そのためには、3年前に聞いたときには、全国の様子を調べると、それを分析している最中だと言っていたのが、3年たってもまだ分析が終わっていないようなふうなので非常に心配しているところです。
 もう少し細かく、これだけのところになぜかからないのかというのをもう少し説明させていただきますと、先ほどの海峡の写真を左のほうから見ると、(パネルを示す)これが本土側の小浜半島です。これがイルカ島ですね。ここに見えているこれが答志島の桃取の先っぽなんです。ここが約700メートルです。それを島のほうから見ると、(パネルを示す)これが答志島桃取、ここがイルカ島ですね。ここにかけてほしいわけです。これ、右側、伊勢湾です。ここの集落、ここが桃取町なんですけど、ここには、今年の10月末現在ですけど、688人が暮らしております。(パネルを示す)同じ答志島の中の、これが答志島答志というところですね。ここは1198人暮らしております。(パネルを示す)これが答志島和具ということで、ここは450人。つまり、答志島には三つの集落があって、2336人の人が暮らしている。一つの自治体であってもおかしくないぐらいの規模だと思います。
 私が見てきたところ、(パネルを示す)これは長崎県の伊王島というところです。伊王島、右側ですけれども、伊王島大橋、ここの島には750人の人口に対して、橋の長さは876メートル、答志島架橋よりも人口もはるかに少なくて、橋の長さは一緒ぐらいですね。あれはもうかかっている橋です。
 (パネルを示す)これは、来年完成予定、岡山県の備前市の日生大橋です。ここは島の人口370人に対して、橋の長さは、これですけど、765メートル。何度も言いますけど、(パネルを示す)鳥羽市の、これは自衛隊のヘリの後ろから撮ったんですけど、これ、イルカ島、向こう、伊勢湾、ここは答志島桃取、ここの区間ですね。ここにこれだけの人が住んでいて、これだけの距離で、全国的にもライバルはみんな橋がかかっていますから、先を争うような離島もなさそうだと思うんですけれども、授業参観に例えると、ほかの子どもは全部当たっていて、三重県が手を挙げたらぱっと当たる、そういうところまで来ているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それでもまだかからない、そういう決断ができない、それは経済面のことはよくわかりますけれども、それがどうなのかなというのをお聞きしたいと思うんです。
 島で急病人が出たときの話を、以前、中村勝さんも話をされております。これは、そちらには資料がありませんのでテレビが写してほしいんですけど、(写真を示す)これは八幡丸といいまして、答志地区の救急艇です。各集落にはそういう救急艇があるんです。これは答志地区の例ですね。急病人が出ても夜間は全く飛びませんし、昼間でも荒れているときはヘリも飛びません。この船に、以前は、患者は外に寝かされたまま波しぶきをかぶるようなところで運ばれているような環境でした。今は改造して、船室に入れるようにしたんだそうです。これで15分から20分ぐらい走って鳥羽の港で救急車に乗りかえるという姿を皆さんも一度思い浮かべていただきたいというふうに思います。
 あと、知事への陳情には、答志島架橋への思いということで子どもたちの作文はつけていましたので、今日は一つだけ紹介させていただこうと思います。四つ用意してきたんですけど一つだけ。橋をかけてほしいな。答志小学校6年山下竜成さん。答志島には、定期船が鳥羽と答志島を結んでいます。しかし、緊急時の手段は船しかありません。そうなったときに、橋がかかっていたらいいのになと思います。僕は、伊勢市にいとこやおばさんがいて、時々遊びに行きますが、いつも時間を気にしていなければなりません。もし答志と鳥羽に橋がかかっていたら、時間を気にせずゆっくり遊べるし、とても便利だと思います。だから、橋をかけるということが夢で終わることがなく、僕らが大人になるまでには絶対に橋をかけてほしいと思います。それにはみんなが、橋がかかるよう、運動をしていかなくてはいけないと思います。僕も橋がかかるよう、ちょっとでも力になれたらいいなと思います。
 ほかもワンフレーズだけちょっと紹介しますと、橋があったら若い人も増えて家を継ぐ人が出てくると思います、でも、何でこんな小さい橋ができないんだろう、問題があってできないのなら、早く問題を解決して橋ができないかな、離島に住んでいると、行く高校も決まってしまい、将来のいろんな仕事が選べるように、橋ができたら夢に向かってそれぞれの高校に進めるようになりたいです、みたいなのがあります。
 知事への期待としては、島民は口をそろえて言うのは、この知事さんならやってくれそう。この知事さんのいるうちにかけてもらわな。その知事の任期もあと5カ月に迫っていましたので、少し島の人たちは心配していました。2期目の出馬表明には非常に、みんな喜んでいるところです。
 知事は陳情に行ったときに長期的な視野で考えるということが大事だと言われていました。長期的というのは、考える時間を長く長期にするという意味ではないんですよね。大きな視野でスピード感を持って決断されるというふうに解釈していいんですよね、スピード感、スピード感と言われる知事ですので。そのためにもスピード感を持って分析のためのデータ収集を急いでいただきたいというふうに思います。所見がございましたらよろしくお願いします。

◎知事(鈴木英敬) 私自身も答志島に行かせていただき、また、先般も、協議会の会長をはじめ、また、64名の子どもたちの作文をいただいて、思いについては本当に、非常に重く受けとめているところです。
 一方で、我々が様々な調査をしている中でわかってきていることは、例えば、今言っている答志島架橋というのをかけようと思うと、長さ1.6キロぐらいになるわけですね。全国の橋梁というのは大体400メートル以下です。三重県が持っている橋梁で一番長いのは志摩大橋で582メートルです。それの3倍になります。それをかけようと思うと、400億円から500億円かかると言われています。ちなみに、県の道路整備予算は年間150億円です。3年間分の道路予算を突っ込まなければならないという可能性もあると。もちろん国からの交付金とかももらうというようなことで、長期的というのは、大きな視野でということや、その財源をどう平準化していくかとか、そういうこととか、様々な手法、それから、橋をかけたところによって、先ほど森下局長がちょっと途中まででしたけれども、そのメリットとデメリットが各地域を調査したところやっぱりあると思います。そういうものについての、デメリットの部分についての合意形成というのも、やはり地域の皆さんとの関係で時間もかかる部分もあると思います。そういうことなどなど含めまして長期的視野で考えたいというふうに思っておりますので、いずれにしましても思いは大変重く受けとめておりますので、しっかりと調査分析も急ぎながら検討を進めていきたいというふうに思います

 

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