答志島架橋に関する一般質問

三重県議会

「平成20年6月」第2回定例会 06月17日 中村勝県議会議員


中村勝県議会議員
 最後に、離島架橋についてお尋ねをいたします。
 今国会におきまして道路特定財源問題が議論をされました。その中で、いわゆる6大橋と呼ばれる海峡横断プロジェクト、この調査を行ってきた財団法人海洋海峡橋梁調査会が問題視をされまして、2009年中の統合、それから調査が中止をされることになりました。長年伊勢湾口道路の夢を見てきた地元の1人といたしましてまことに残念なことであります。
 伊勢湾口道路は、私たち鳥羽や伊勢やその近辺の住民が欲しいということで始めた計画ではありませんので、国のプロジェクトとして、その中で鳥羽の離島も通り、そして離島というのが解消をされると、こんなことで私たちはそれに夢を追ってきたわけでありますけれども、今後この伊勢湾口道路については、国土形成計画の中部圏広域地方計画の中でどんな議論をされるのか見守っていきたいというふうに思っておりますけれども、これまで以上に伊勢湾口道路が遠のいてしまったというふうに考えております。
 知事におかれましては、昨年、それから一昨年と2度にわたって三重県の離島であります鳥羽4島に上陸をいただきました。そして、島民の皆さんの本当に切実な声を聞いていただいたと思っております。三重県の離島振興計画も今年が中間年であります。そして、島民の皆さんの話を聞き、いろいろと感じられたことも多いというふうに思いますので、改めて離島架橋や離島振興について知事の考え方をお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。

野呂昭彦知事
 お話にございましたように、昨年、一昨年、鳥羽市にあります4島の離島を訪問させていただきました。その際には大変お世話になりましてありがとうございました。答志島、菅島、坂手島、神島、この4島でございます。いずれの島でも温かくお迎えをいただきました。そして、いろいろと有意義な意見交換をさせていただけたと思っております。
 いろんな課題が離島にはございますけれども、やはり離島ではもちろん豊かな自然がありますし、それから代々受け継がれました独特の食生活とか、あるいは寝屋子制度といったようなものもございまして、そういう意味では温かい島民の大事にしてきておる絆、こういったものが象徴されるような地域文化が本当に残っているなということを実感したところです。
 それから、都会から嫁がれた女性の方もたくさんいらっしゃいましたけれども、皆さんがそういう島の自然とか文化を生かしながら、積極的に都市との交流事業、こういったことにも取り組んでおられまして、自分たちの地域を本当によりよくしていこうという気概が感じられたと、こう思っておるところでございます。
 そういう中で、離島架橋についてでございますけれども、今申し上げましたように、離島というのは本当にすばらしい自然、特に水産資源とか観光資源、こういったものに恵まれておりまして、本土にはないような離島固有の資源を有しておるところでありますから、そういうそれぞれの島の資源を最大限活用し、そして自立的な発展ができるよう、私どもも関係市と連携しながら、ハード、ソフト両面でいろんな取組を進めていかなければならない、そんな形で今日まで来ました。
 離島と本土を結ぶ交通手段でありますが、今は唯一海上交通であるということで、離島航路整備事業補助金がございますので、その中で定期航路の安定的な運行というものを支援しておるところです。それから、鳥羽市では、平成19年、20年の2年間に定期航路の高速船を1そうずつ建造するということで、県もこの建造費については補助をいたしております。それから、離島架橋というのは船舶に頼らない海上交通を確保していく。そして、島の産業、あるいは生活圏、これを広域化するというような、そういう効果がもちろんあると理解しております。しかし、実際には、今は国の公共事業が毎年抑制をされ、厳しい財政状況の中で大変多大な経費を要するということであります。
 国土形成計画でどういうふうに扱われるか、議論されていくのかという御指摘がありましたけれども、私どももそういう状況を見ながら長期的に取り組んでいかなければならない課題であるのかなと、こういうふうに思っております。したがいまして、今後離島地域の全体の振興を目指すという中で、架橋の問題等も鳥羽市と連携しながら今後幅広い検討の中で考えていきたいと、こう思っております。

中村勝県議会議員
 知事、ありがとうございました。
 ふるさとをいろいろと褒めていただくのは本当にうれしいものでございます。私は、伊勢湾口道路、伊勢湾口大橋ではなしに、地域に密着した離島架橋をと、こういうものをこれから求めていきたいというふうに考えておるわけでありまして、伊勢湾口道路と離島架橋とはもうかけ離してこれからは考えていく必要があるかなというふうに思っております。
 実は昨年の9月に、本土からわずか800メートルしか離れておりません答志島のほうで3000名弱の住民が住んでおりますけれども、ここに三つの集落があって、それぞれ町内会、婦人会、漁協の支所が結集をして答志島架橋建設促進協議会を結成いたしました。この協議会では、答志島架橋について署名活動も島民の皆さんにしていただいて、ほとんどの人が署名をしております。そして、地元の鳥羽市長も、架橋については積極的でありますし、自治会連合会会長等も積極的な発言をいただいております。
 先日の知事の提案説明にあったように、世の中のありようが大きく変化をする中で今求められているのは、国民が将来への希望を持ち、安心して暮らすことのできるこの国の姿を明らかにすることであり、本県としても、生活に密着した地域の視点に立って積極的に提言、発言をしていくと、こう述べられました。まさに答志島架橋については国家プロジェクトとしての伊勢湾口道路ではなくて、島民の生活に密着した地域の視点での要請であります。今の長期的課題という域を何とか脱して、次のステップへ一つでも前へ進ませていただきたい、そんなふうに答志島の住民全員が考えておりますし、すぐにできるものではないというふうに思いますが、例えば県と鳥羽市と答志島住民を入れて答志島架橋調査会等で架橋のメリット、デメリット、こういったものを議論していく、そういう組織を立ち上げることができないかなというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
 ぜひそういう形で、長期的と言われますと本当に前が全く見えませんので、一歩でも二歩でも県が決意をいただければ地元はしっかりやらせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 

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答志島架橋建設促進協議会